浅草流黒松神楽(黒松)

     

豊後大野市指定無形民俗文化財

 神楽は鎮魂、招魂の神事における神事舞で、民族の古い信仰にそ の端を発している。古くは、一定の形式のないものであった。
 それが芸能としての形をとるに至って、各時代の歌謡や舞いや能 や外来楽をも取り入れて、神事の内容を豊かにしていった。古い信 仰の形式や、各種の芸能の様式や内容を今日にみることができる点 で、神楽は文化史の上からも貴重なものである。
 現在、日本全国津々浦々に分布している神楽は、出雲佐陀大社の 神事から発した出雲流の神楽である。それがまた各地の古風な神事 と結びついて、各地流の神楽として発展していった。(小学館発行 『日本大百科事典』による)
 黒松神楽は、江戸時代の末期より大野町浅草八幡社から伝わった 浅草流で舞い始めた。
 楽員は黒松地区の人のみで構成し、代々引き継がれている。各地 の祭り等に出かけて舞ってきたが、特に盛んだったのは第2次世界 大戦中であった。近隣の町村はもちろんのこと、臼杵市や大分市に も出かけた。出征兵士の家族より無事を祈っての舞いを数多く依頼 されたという。
 現在は、楽員12名で減少傾向にある。舞いも年4回で、黒松の 春秋の祭り2回、それに柴北地区と久原地区の祭りに出かけるのみ である。