大聖寺宝篋印塔(柴北)
大分県指定有形文化財
禅宗の古刹大聖寺境内の中に、宝篋印塔が3基ある。その1基が
大聖寺を創建した不肯正受禅師の「開山塔」と呼ばれる宝篋印塔で
ある。総高は、2メートル62センチあり、南北朝時代の貞治5
年(1366)の造立である。露盤は笠と一石で2区分されて、各
各格狭間が彫られている。基礎にも2重枠の中に格狭間が彫られて
いる。宝珠を囲む火焔の形・相輪全体の形状・笠の上部の縦連子・
その上の小さな作り出し等の特徴からして、当時大野川流域で活躍
した名石工沙弥玄正か、その流れを汲む石工によって造立されたも
のであろう。
塔身の表側には円の中に「開山塔」と彫刻されており、裏側には
「不肯正受禅師貞治五丙午季二月初八烏」と紀年銘が彫られている。