大聖寺阿弥陀如来座像(柴北)

     

大分県指定有形文化財

 恵日山大聖寺の本尊である。禅宗の寺の本尊としては極めて珍し いことである。これは開基である大友親綱(大友13代・長禄3年 (1459)2月没)が、阿弥陀如来を尊崇していたことから本尊 として安置したためである。この阿弥陀如来は、恵心僧都(源信と もいう、941~1017)一刀三礼 (ひとのみふるっては拝んで 刻む)の作といわれ、上品下生の仏といわれている。桧材で造られ、 像高は87センチである。
 昭和58年8月慶應義塾大学の西川新次教授が調査のため、県 文化課の和吉心良氏の案内で訪れてこの仏像を調査され、「この仏 像は、中央の優れた仏師の作で、平安後期の仏像である」との所見 を述べておられる。
 また平成元年7月に九州大学の菊竹淳一助教授が、県文化課の案 内で訪れて調査をされ、「平安後期の仏像として貴重なものである」 との所見を述べておられる。
 阿弥陀とは、サンスクリット語(古代インド語)で、アミターユ ス(無量寿と訳す)アミターバ(無量光と訳す)といい、無限のい のちや智恵の働きをいう。永遠の時問にわたって無限の智恵を働か せて、一切衆生の生きる力となろうというのである。  この阿弥陀信仰は平安時代に高まり、鎌倉期以降は、一般庶民の 間へとひろまっていくのである。