大聖寺達磨像(柴北)
豊後大野市指定有形文化財
達磨はふつう座しているが、この大聖寺の達磨像は写真のように
立っており、たいへん珍しい姿である。高さは63.5センチで
ある。
九州大学の菊竹淳一助教授の鑑定では、室町時代の作風をとりい
れた江戸時代前期の作であり、立派な像であるとの評価をされてい
る。
達磨は菩提達磨といい、5世紀末から6世紀末の人といわれてい
る。南インドの香至王の第3子として生まれ、般若多羅から教えを
受けて大成し、晩年東方の宣布を志し、海上幾多の困難を経て中国
は広州に渡り禅宗を伝えた。中国禅宗の第一祖としてあがめられて
いる。
中国河南省登封県の少林寺(496年創建、達磨大師が悟りを開
いた寺)で、面壁(壁に向って座禅)9年にわたる座禅の結果、そ
の手足が動かなくなったという故事にちなんで、手も足もないダル
マの姿が措かれるようになったという。