両村橋(柴北)

     

豊後大野市指定有形文化財

 千歳村の久保山地区と犬飼町の柴北地区の間を流れる柴北川に架 けられた、長さ28.6メートル、幅3.9メートルの単アーチ 型の石橋である。  この地は、昔より飛石で人の往来が行われていた。しかし、時代 と共に人の往来や物資の移送も多くなり、架橋に対する要望は強く なっていった。  現在では犬飼町と千歳村との境界であるが、当時の行政区として は長谷村と井田村の境界であった。特に井田村の久保山地区は犬飼 町に出るための要所であり、強い要望を出していた。  両村は、まず県に働きかけて県費補助金918円を得ることが できたことで、架橋についての議決まで漕ぎつけた。  柴原村の足立初夫氏との間で石橋及び付属工事についての契約を 結び、契約金は4800円であった。昭和13年12月に起工し、 昭和14年5月に竣工している。  両村橋の碑文に 「竣工式では衛藤善太郎氏夫妻の渡り初めがあり、 多年の宿望が達成された両村民はいよいよ親交も厚くなり喜びにわ いた」と記されている。  現在では、石積みが少し張り出す等老朽化の傾向にあり、車輌通 行止めとなっている。現在は数メートル上流にコンクリート橋が建 設されて、両岸の道路も広くなり整備されている。