大聖寺五輪塔群(柴北)
豊後大野市指定有形文化財
平成元年のほ場整備事業の際土中より多量の石造物が見つかり、 それを平成14年1月大聖寺脇に整備し祀ったものである。明治の 神仏分離政策による廃仏毀釈によって、土中に埋められていたもの と推定される。 造立時期は、鎌倉時代から江戸時代にわたっており、現在整備さ れているのは五輪塔88基である。その中には、6基の1石五輪塔 が含まれている。 高さは、1番大きいもので1メートル33センチ、他に1メート ル30センチくらいが2基、1メートル20センチ程のものが5~ 6基、あとは70~80センチのものが多い。 1石五輪塔は77センチのものが1番大きい。 鎌倉時代の紀年銘のある五輪塔が2基あり、空・風・火輸にそれ ぞれ種子が彫られている。火輪には四面に同じ種子が深く薬研彫り されている。水輪には、「正中2年(1325) 乙丑8月13日沙弥 道念存生時造立之」と彫られており、高さは1メートル10センチ ある。もう1基は、「正中二年乙丑8月13日蓮阿存生時造立之」 と彫られており、高さは1メートル3センチである。これは夫婦の 逆修塔として造立されたものと思われる。 近くにはまだたくさんの五輪塔が埋もれているという。